
世界探訪記。
第2回目は、大航海時代シリーズの中心になっている、
ポルトガル王国の都、リスボンです。

リスボンは英語読み、ポルトガル語ではLisboaと書いてリジュボアと読みます。
リスボンの街はイベリア半島の南西の端、テージョ川の河口に位置します。
テージョ川は、イベリア半島の北東にあるピレネー山脈から半島を横断して流れます。
古くから、川は人と物を運ぶ大切な交通手段でした。
また、リスボン周辺の地形を見ると一目瞭然ですが、
河口を囲むように小高い丘陵地が連なり、良質な天然の湾を形成しています。
こうした特徴からリスボンは古くから、
イベリア半島全体と外海とを結ぶ、港湾都市として栄えました。
現在のリスボンの地には、紀元前から人々が居住し、
古代ローマ帝国の属州ルシタニアの首都としても栄えました。
8世紀には、北アフリカから渡ってきたイスラム教徒のムーア人達が占領します。
イスラム勢力の支配は、12世紀にポルトガル王の軍が、
十字軍の勢力を借りて攻め落とすまで続きました。
十字軍及びスペイン、ポルトガル両王家の攻勢によって、
イベリア半島からイスラム勢力を追い出したこの出来事を
「レコンキスタ」と呼ぶのは、皆さんも覚えがあるかと思います。
その後の大航海時代には地理的特性を存分に生かして、多くの船団を外洋へ送り出し、
ポルトガル躍進の原動力となって、大きく栄えました。
リスボンの街中に目を移してみましょう。
リスボンの旧市街地のベレン地区には、DOLでもおなじみの名所が集まっています。


ジェロニモス修道院とベレンの塔。
DOLリスボンの広場教会と、港前の造船所入口にある小さな塔がそれです。


ジェロニモス修道院は、ヴァスコ・ダ・ガマのインド航路開拓や、
エンリケ航海王子の偉業をたたえて、1502年に時の王マヌエル1世が着工、
1511年に回廊部分のみ完成したものの、その後工事は中断し、
全体が出来上がるまでには300年近くを要した大伽藍です。
修道院内には、ガマの棺も安置されています。
また、ベレンの塔も同じくマヌエル1世が、ガマの偉業をたたえて建てたもの。
こちらは、テージョ川の河口に張り出すように建てられ、
リスボンを出入りする船を監視する、という目的もあったようです。
いずれの建築物も、一時期ポルトガルが独占状態だった、
香辛料貿易で得た利益で建設されているというのもポイントです。
インドという神秘の国との航路が、大陸の端の弱小国に巨万の富をもたらした、
まさにその動かぬ証拠なのです。
DOLプレイヤーとして気になってしまうのは、これらがいずれも、
「ガマの偉業をたたえて」建設されたものであること。
なのにポルトガルのイベントで、その讃えられるべきガマの艦隊を追って
インドへ向かうことになるわけで‥‥
すでにもうなんだかパラレルワールドまっしぐらなのです。
史実にこだわる人には我慢ならないのかも知れませんが、
時代錯誤だなんて揶喩されるパナマ運河へとつながる伏線は、
サービス開始当初から、しっかりと張られていたわけですね(´ω`)
そのほかリスボンと言えば、思い起こされるのが坂の街ということ。
先述のベレン地区を含む旧市街は、海や河口に近い低地にありますが、
低地は狭く、すぐ後ろには丘陵地が迫っています。
街が栄えて人口が増えると土地は不足し、
次第に坂の上に向かって新市街が広がって行きました。
DOLでも、大階段と高台の広場として、見事に再現されているのは、
皆さんもご存知なことでしょう。


セニョーラ・モンテ広場から眺めたリスボンの街。
色合いがまさに、といった感じですよねえ。
それからポルトガルで歌われている民謡歌謡のファド。
ファドとは「運命」とか「宿命」という意味をもつんだとか。
大航海時代IVでは、リスボンの酒場娘さんが歌ってくれたファド、
大航海時代に帰らぬ船乗りを待つ女たちが歌ったらしいという説もあるけれど、
実際には、ファドが生まれたのは19世紀に入ってからなんだとか。
ファドの女王ことアマリア・ロドリゲスのLagrima。
アマリア・ロドリゲスは力強い歌声が魅力的‥‥だけど残念ながら故人なのです。
うーん、美空ひばりみたいな感じなのかなあ?
マリーザのBarco Negro。 1'15"まではいろいろ語ってます。
マリーザについてはココ。
事情はどうあれ、ファドの歌声が美しいことには変わりありません。
ぜひ一度、生で聞いてみたいものです。
歌はいいねぇ(*´ー`)
今も昔もリスボンは、なんだかいろんなエネルギーを秘めている気がします。
行き交う人の数ならいつでも世界随一。
そして、過去の大航海シリーズを知る者には、どこか懐かしい場所‥‥。
集う場所であり、帰る場所であり、そしてまた旅立つ場所でもあります。
そんなリスボンを一口で表すなら、
古き良き大航海時代の面影を残しつつ、いつまでも海を忘れない、
「船乗り達の故郷」といったところでしょうか。
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次回はさらに北へ。
北海の水の都、アムステルダムをお届けする予定です。

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